1月20日1 分

たから ⑳ 森本美保子(神奈川県)

最終更新: 2月15日

鎌倉彫。森本さんに教えていただいたのですが、武家政権が誕生した神奈川県鎌倉市で、積極的に中国「宋」時代の中国禅宗文化を取り入れ、禅宗寺院に唐物の彫漆器(漆を何度も塗り重ねて彫刻した漆器)が鎌倉彫のルーツ。つまり仏具として珍重され仏師らが、高度な木彫技術、木彫漆塗が鎌倉彫のはじまりなのだそうです。

鎌倉彫といえば椿文が多いような気がします。日本美術と椿の関係は「日本書紀」にも神聖な樹木として登場します。冬から春にかけての茶の湯の花や道具にも用いられるほど。椿は、控えめながら凛としていて、種類によっては大胆なものさえありますね。香りもほとんどしないところも日本文化で好まれる理由かもしれません。

美術を学んだとはいえ、結婚を機に本格的に鎌倉彫に携わった森本さんの作品は、試行錯誤を繰り返しながらまだまだ進化途上ですと話されていました。

森本美保子 Mihoko Morimoto

1969年 東京都生まれ

1993年 武蔵野美術大学日本画学科卒

テキスタイルデザイン会社勤務

結婚を機に、稼業の鎌倉彫を始める。

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