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日常での気づき、イベントやアーティストについて触れた日々のメモです。
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BIOME観察ノート⑤
一つのギャラリーの研究:なぜBIOMEを始めたのか BIOMEを始めた理由は一つではありません。 けれど確かなのは、 作品がどのような条件で生まれ、 どのように残るのかを、 自分の判断で扱える場所を持ちたいと思ったことです。 作品には制作の事情があります。展示の事情もあります。評価や流通の仕組みもあります。それらはすでに多くの制度として存在していますが、そのなかで誰が判断しているのかが見えにくくなる場面もあります。 BIOMEでは、作品を展示することと同時に、 その判断の順序を整えることを重視してきました。 平面作品とイラストレーションの違いをどう考えるのか。立体作品をどのような条件で扱うのか。インスタレーションを原則として扱わない理由は何か。これらは個別の問題のように見えますが、すべて判断の順序に関わっています。 ギャラリーは作品を並べる場所であると同時に、判断が積み重なる場所でもあります。 何を展示し、何を展示しないのか。どのような条件で扱うのか。その判断は展示のたびに更新され、次の展示へと引き継がれていってよいものだと思います。...
3月23日読了時間: 2分


BIOME観察ノート④
残る作品の研究:作品に求めている条件 作品を見るとき、BIOMEではまず好みから入りません。 いえ、たしかに好きかどうかという感覚は、大きく作用することは否めません。けれど、それだけでは判断の軸として十分ではないと思うから。 先に確認するのは、その作品、アーティストがこれから創作する作品がどのような条件で成立しているか(ゆくか)という点です。 自律して制作されているか。展示空間に置かれたとき、その場限りの装飾にならず意味を保てるか。売買の結果とは別に、作品として存在し続ける前提があるか。おおよそこの三点を確認しています。 これは作家の肩書や知名度で決まるものではありません。 画家であっても制作条件が外部の要請に強く依存していれば展示として成立しにくい場合があります。うーむ、難しいな、語弊があってもいけませんので、仔細な説明は割愛しましょう。反対に別の領域で活動している人であっても、自律した制作が続いているなら十分に検討対象になります。名称ではなく成立の仕方を見るということです。 あくまでも、BIOMEのことです。続けます。 もう一つ重要なのは、時
3月22日読了時間: 3分


BIOME観察ノート③
置けない作品の研究:インスタレーションを扱わない理由 インスタレーション。空間全体を作品として扱う方法には、平面や単体の立体では届かない力があります。その場所でしか成立しない強さを持つ作品、それはインスタレーション。 それでもBIOMEでは、原則としてインスタレーションを扱っていません。 理由の一つは、作品として残すこと、移動させること、再び展示すること、その一つひとつが難しくなるからです。同じ場所に同じ条件が揃わなければ成立しない作品は、会期が終わったあとに何が作品として残るのかが曖昧になりやすいのです。 作品を扱う以上、展示して終わりではありません。保管、運搬、再設置といったその後の過程まで含めて考える必要があります。そのとき、空間と強く結びつきすぎた作品は、多くの前提を要求します。 BIOMEが優先しているのは、その場を離れても作品として残るもの。会場を変えても、時間が経っても、同じ作品として見直すことができるもの。その条件を備えているかどうかは、扱う側にとっても重要な判断になります。 例外がまったく存在しないわけではありません。単体の要素
3月19日読了時間: 2分


BIOME観察ノート②
用途のない器の研究:工芸とアートのあいだ 器は本来、使うためのもの。盛る、注ぐ、運ぶ。手に取られ、洗われ、また使われる。そうした反復のなかで技術が磨かれ、生活の中に美しさが残っていく。工芸の魅力の多くは、その繰り返しの中にあります。欠けたり、色が落ち着いてしまったり。 しかし形あるもののすべてが用途へ戻っていくわけではありません。 器の姿をしていても、これは使うためのものではないと感じるものがあります。用途ではなく、別の問いを抱えているものがある。そこで初めて、工芸とアートのあいだに線を引く必要が出てくるのではないかと考えています。 BIOMEで立体作品を見るとき、まず確認するのは、使われることが価値を規定しているかどうかです。便利であること、使いやすいこと、反復できることが核になっているのか。それとも用途を離れてなお、単体として残る力を持っているのか。その違いは小さくありません。もちろん用途のあるものに価値がないという話ではありません。むしろ逆で、用途を持つものには用途の強さがあります。生活の中で使われ続けることでしか生まれない厚みがあります。
3月17日読了時間: 2分


BIOME観察ノート①
一枚の絵の研究:イラストレーションと絵画の境界 一枚の絵を前にしたとき。 それが絵画なのか、イラストレーションなのかは、見た目だけでは決まりません。描かれている対象や画材、技法の違いで分けられるものでもないように思います。 近年はとくに、その境界が見えにくくなりました。 出版や広告の仕事を通して広く知られる作家が、展示空間で強い存在感を持つ作品を発表することもありますし、反対に、美術の領域で語られてきた作家が別の媒体へ自然に接続していくこともあります。表現だけを見れば似ている場面は珍しくありません。 日本での美術史において、こんな”課題”、ほんの数年の議論でしかないでしょう。 それでも、BIOMEで考えたいのは、どのように描かれているかよりも、どのような条件でその作品が生まれたのかという点です。 ・誰かの依頼に応じて制作されたものなのか。まず使われることが前提にあるのか。それとも、用途とは切り離されて、作品としてそこに置かれることに耐えるのか。その違いは見た目以上に大きいものです。 ・もう一つは、どこで価値づけられるのかという問題です。...
3月15日読了時間: 2分


TINY ROUND TABLE -その場の話
5月9日(土)。自らお申し込みをされた少人数で開催されるイベントTINY ROUND TABLE。 その第三部のポートフォリオレビューについて、もう少しお話しましょう。 ポートフォリオレビューその場の話です。 ポートフォリオレビューという言葉は、便利ですが、少し誤解も生みやすい。 「見てもらえば何かが決まる」「一言で道筋が示される」そんな期待を抱かれることも少なくありません。 けれど、実際のレビューの場は、もう少し地味で、現実的です。 まず、有用性について。 ポートフォリオレビューの一番の価値は、「評価」ではありません。自分の制作物が、他者の目にどう届いているかを、その場で確かめられることにあります。 たとえば、自分では一貫しているつもりの並びが、見る側には「用途が読み取りにくい」と映ることがあります。逆に、本人は弱いと思っていた一点が、「この仕事なら、この絵が一番使いやすい」と言われることもある。 そういえば、神戸出身でBIOMEでも個展実績のあるイラストレーター 合田里美 が、当時、「この直前に、木内(達朗)さんのレビュー受けたんです。悩んで
2月15日読了時間: 3分


ひとりごと 感謝欲について
「感謝欲」。 この言葉について、過去にも触れたことがあるかもしれません。日々の人間関係や仕事の中で、「ありがとう」という言葉や感謝の行動に、私たちは無意識に反応しています。この反応の傾向を「感謝欲」と呼ぶのだと学びました。...
2025年10月2日読了時間: 2分


MANABU(edu)内田亜里と青写真で扇形をつくる
二日に渡り開催したウェットサイアノタイプを実践したMANABU。薬剤といっても危険なものではなく、キッチンにあるような調味料や庭にある草木をつかって、青写真を作りました。内田さんがドクターコートのような白いガウンを羽織られているので、あたかも研究室のような一角になりました。...
2025年2月23日読了時間: 1分


牧野 環② リレー展での在廊日
タイムマネジメントが素晴らしい牧野さんは、分刻みでスケジュールをお教えくださいます。長久手市からの道のりを、MANABU(edu)の日でもある展覧会二日目にお出ましいただきました。 「描きあげて・知る」日本画MANABUと題しました。モチーフはなんでもいいし、準備した日本画...
2023年12月5日読了時間: 2分


unpis ① ウンピスと読みます
すでに開催している「不明なオブジェクト@BIOME Kobe」。広がるunpisワールドに、BIOMEのスペースで思わず感嘆の声をあげるお客様が多いのです。 確かに在廊もかなわず、作品だけがやってくるのですからこちらも真剣勝負です。...
2022年10月10日読了時間: 1分


高橋星児② MANABU「むべ盆栽といふらむ」スタート
BIOMEにとって、MANABUはとても大切な試みなのですが、 そのスタートは苦難に満ちていました。楽しくみんなでわいわいできるワークショップではないし、コロナ禍に、台風にと、その道をさまざまな形で阻まれてきました。 昨日から始まったMANABU。参加者からの予想外の質問や...
2022年9月24日読了時間: 1分


Meeting You Onlineに込めたこと
まずはPRさせてください。 現在、終了した「ほしめぐる」しばたあきこと市川佳依の二人展でご案内した作品の閲覧をしていただけます。あとわずかな期間ですが、ぜひこの機会をお見逃しなく。 殊に、しばたさんの絵の魅力は、邪気のない素直な色使いと人物や動物の表情でしょうか。...
2022年8月25日読了時間: 3分


LEAPING OUTで得たもの
遅くなりましたが4月後半から開催した2つの個展。 山口茉莉さんの作品個展「-空想建築のある空間-」 鈴木 隆さんの陶個展、それぞれ大盛況をいただきました。 GWや北野坂のイベントもあいまり、それはそれは大変な人出でした。実は前半は大嵐にも見舞われましたが、それも含めての賑わ...
2022年5月11日読了時間: 2分


山口茉莉④ 整う脳のために
山口茉莉とMANABU「文庫本の改装」、二日に亘り大いに気づきや刺激をえていただけたようです。「ちょっと罪悪感がありますが、こんなふうにそっと表紙をはがしていきましょう」とMANABUがスタート。 丁寧ではあるけれど、手際よく、教えるというよりなぜこの工程が必要なのかを伝え...
2022年5月2日読了時間: 1分


山口茉莉 ① 文庫本の改装MANABU
LEAPING OUTとして北野坂で展開してきたBIOMEの個展も、終わりを迎えます。 4/29〜5/8の期間、山口茉莉さんのリトグラフと陶オブジェの「-空想建築のある空間-」個展を開催します。 4/30と5/1は、在廊の時間を利用したMANABU(edu)で、「文庫本の改...
2022年4月16日読了時間: 2分


3月のLEAPING OUT
2月もこの時期になると日が長くなりますね。好きな暖かい季節に向かうんだなと少し嬉しい。 タスクが多くとも、最大限にこなすことは、なんとなく得意分野なのかもしれないと思うこのごろ。ただ、抽斗が満杯になったり、澱が溜まると効率もよくない。虚無感も同時に襲ってきます。...
2022年2月23日読了時間: 1分


②林 明日美 理想的な時間
「あたたかな闇に旅す」メゾチント個展の初日と二日目にManabuを実施しました。企画段階で、版画である以上プレスが醍醐味と互いに思っていました。けれど、BIOMEにはプレス機がございません。 しかしポイントをもっともっとフォーカスしましょうと、吟味したのです。専門性にこだわ...
2021年11月23日読了時間: 1分


Manabuおさらい「テラス・トル」「blended-野点珈琲」
コロナ感染者数や梅雨による水害など、そんな機運もあってか参加申し込みが一進一退で気を揉んだのですが、飛び入り参加もいただきました。 「テラス・トル」では光による陰翳、作品のむきや見せたい雰囲気、などを考えた撮影についてや照明の当て方、作品の配置などを実践をしながら、学びまし...
2021年7月18日読了時間: 2分


感じて学んで 実践する。
ビーチサンダルが熱い 以前、ご紹介しました神戸市長田区がビーチサンダル発祥の地であるお話。2足プレゼントいただきワンピース姿に合わせてみました。 鼻緒をぎゅっと挟むので、親指からかかとへの内側重心でインナーマッスルが鍛えられ、且つ足指が開くようになって、指の力が強くなるから...
2021年7月6日読了時間: 2分


⑥むらいゆうこ 観る絵はアーティストのものだけでない
Manabuのお申し込みがあり、今回在廊をきめてくれたむらいゆうこさん。小柄で華奢なのに、ほとばしるパワーを感じたのは、ご自身の管理をしっかりなさるのだろうと容易に想像できます。 Manabuの内容は、以前から打ち合わせを重ねてきたのですが、プロならではの盛り上がりと、最後...
2021年6月4日読了時間: 1分
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