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「Invisible Osmanthus」メゾチント林明日美(前編)


「あたたかな闇に旅す」で2021年にBIOMEでの個展を果たしてくれた林明日美さん。BIOMEには、メゾチントが初であったことで印象に残っている展覧会でした。銅版画がお好みのゲストは多くメゾチント作品の楽しみ方にはこちらが刺激を多くいただきました。さて、コロナ禍を経ての林明日美さんにも、大森さんと同じ質問をしています。


ーご自身にとって、メゾチントの愛すべきところはどんなところですか。

自分の中にあるまだ現れていないものを、紙の上にどっしりとした存在感を持って作り上げてくれるところ。

仕上がった版画を見たときに感じる、小さな粒で表現されるものの美しさや、紙の向こうにしっかりと別の世界への窓を作ってくれるところ。





ーなぜ、メゾチントを主体にするようになったのですか

まずはなぜ銅版画なのか、という理由は、銅という素材がなぜか性に合ったということだと思います。高校生の時に銅版画を初めて作ったのですが感覚的にとても惹かれた記憶があります。水性の素材よりも、油性の素材、例えば水彩絵の具ではなく、油絵の具の方が性に合っているということもあると思います。

メゾチントを主体にしている理由は、版画ではなく鉛筆など他の素材で絵を描く時、線で何かを描くことがあまり好きではなくどちらかといえば苦手です。それよりも、木炭画のように面で絵を描いていったり、彫刻のように面を削っていって形を削り出していくような作り方のほうが自分が作りたいものが作りやすいです。

銅版画でも同じでラインエッチングやドライポイントのように線の表現よりも、メゾチントのように面で絵を作っていく技法のほうがイメージを描きやすいということです。

それから、腐食液が好きになれないということもあります。(手につくと痒くなる、処理が面倒、自宅で扱いづらいなど)



ーコロナ禍以降、製作方法や、製作の目標などが変化したことはありますか。

コロナが直接のきっかけではないのですが、コロナの流行により参加予定だった展覧会が延期や中止になったことで作品について考える時間が少し増えた時期があったこと。また、コロナの流行と妊娠出産の時期が重なっていたこともあり、通常よりも外出することが少なかったため、今までの制作方法の見直しをする時間ができたようにおもいます。細かい変化ですが、メゾチントの目立ての工程において、粗さを少し変えたことでそれまでの作品よりももっと柔らかい印象の作品が作れるようになりました。

最近は落ち着いてきたように感じますが、コロナ禍以降は、アート作品を購入するということも控えめになっていた印象がありました。また、在宅で仕事をする方も周りでも増えました。そんな傾向から、小さめの作品を充実させて制作するように意識するようになりました。気軽に購入していただいて、家に飾ってほしい、という気持ちからそんなふうに思っていましたが、最近はまた変化しつつあります。


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