この個展も、日曜と月曜の二日を残すのみとなりました。
BIOME注目のアイテムに、ピッチャーと平皿があります。思うにどの中里アーティストにもないテイストです。
どの中里アーティスト?
旧唐津藩御用窯の伝統を持つ「御茶盌窯」窯元11代中里太郎右衛門の次男として生まれたのが、花子さんのお祖父様に当たる中里無庵氏。国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)です。
そしてその五男である中里隆氏こそ花子さんのお父様。世界的にも名が広い作家。花子さんのお兄様は太亀氏。中里一門は、唐津焼を盛り返し伝統を紡いできた家系なのです。
家系については過大評価もしてませんし、
(若い頃のように)否定もしていません。
懐古主義や古唐津に
特別なロマンを感じる意識も
他の唐津の陶芸家と比べると
薄いのかもしれません。
意識しているのは「今」私たちが生きている時間と体験です。
今生きていることを
どれだけ心豊かに楽しめるか、
それを誰かといかに共有出来るか。
末尾の言葉に痺れます。
冒頭のピッチャーや平皿はもう何年も制作されているアイテムですが、花子さんが今を生きて作り上げたきたフォルムなのでしょう。
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