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仁方越由夏⑥ どんなにわ

「庭へ」の個展のメッセージに、どきりとするフレーズがあります。

それは「・・・忘れられた庭・・・」という言葉なのですが、今の世の中、住む人がいなくなり手入れがされなくなった庭や、住んでいるけれど介護やなにかで世話すらできなくなってしまった庭など。少子化や都市化の影響もあるのでしょうね。



実家の庭の話です。

母は植物や生き物の世話をする感覚に長けた人で、植物はあっという間に巨大化、増殖し、金魚やメダカも巨大化、増殖するのが常で、近所の猫たちは入れ替わりでご飯を食べに来るような。整っているとは言い難くても、生き物たちの生命力に溢れた、植えられたものそうでないものたちの混ざり合った庭に放たれる、朝夕の水やりの景色を、ベランダから階段から、ボーっとできる時間。

そうしていると、限りあるはずの庭が、無限に感じられるように思えて。(仁方越由夏)


どなたにも大なり小なり、そんな時間をお持ちなることがあるはずかと思います。

放っておかれても、力強く生きようとするものたちの集合体でもある庭は、それがもの哀しくもあり、豊かでもあり、けれどしっかりとその地に護るかのような役割を担っているのかもしれませんね。