お手盆が漆の品でしたので、お立ち寄りくださった八尾さつきさんに「漆はどんなポイントを楽しめばいいんでしょう」と、お品の見方をお願いしたのです。
八尾さつきさんは漆作家で、実は赤絵の種田真紀さんにご紹介いただきました。控えめながら、漆の見るべきポイントやその態様について、簡潔にご説明してくださいました。
実は、小学校時代、夏のキャンプファイアーのトーチ探しに、友達と山に分け入りゲットした木が漆。まっすぐで木肌が綺麗なのでうってつけだなって友達と話したものです。ところが、数時間後全身かぶれて発熱まで発展。結果キャンプに行けなかった思い出があります。
ウンウンとうなづきながら、「いますよ、アーティストさんでも弱い方は」と八尾さん。作品でも、仕上げて乾いたものでもかぶれる方もいるとのこと。自然と対峙して創り上げるものなんだなと改めて感じさせられます。日本人が愛して止まぬ樹木を、より強固にあるいは殺菌の意味も込めて塗られる漆。もはや美の象徴とする工芸でもあります。
漆作品を八尾さんから、レクチャーいただいてから漆への気持ちが変化したのは驚きです。スペシャリストが語るのはもちろん本気本番モード。扱いや盛る食材などさえ心得ていれば、丈夫でむしろ簡便、使い勝手の良い品だと言います。正直、敷居も高く取り扱いもなんだかなぁ、と思う漆作品も、その香りや手触りをほんの数点だけ見ることができる。そんな機会を与えてくれるかもしれません、ご期待ください!
https://www.instagram.com/satsukiyao/?hl=ja 八尾さつきさんのオフィシャルInstagram