周りに時々こんな人がいます。
自己顕示を感じないのに、得意分野がいつの間にか話の中心にある。かと言って、意気揚々なわけではなくゆっくり淡々と語る。あれと心配すると「え、できますよ、やってみますか」と、懐も深ければ、風呂敷も広い人。
褒め言葉に感じなければ、すみません、高橋さんです。
いつも東京で使うカフェに登場した高橋さんは、学生のように見えました。これは、年長者としての矜持を見せねば、と気負う・・・までもなく、彼のポケットはいくつもいくつもあったわけなのです。

限定や制約をして見つけ出すより、ギャラリーのテーマとしてどうかというものPinterestから見つけ出すことが多いのですが、初めに見たのはこの作品でした。
シンプルで分かりやすい発信。
(苦労して?)照らし出したものですら情報過多。見つけた情報が、そもそもいろんなソースから成り立っている。誰の作品か知らないけれど。

そしてまた別の機会にpicした作品がこれ。大好きな世界観です。
几帳面な線と突飛ではない色使い。クライアントワークでないとしたら、少年のよう感性だな。な、わけないか。
そして、使っているものはアクリル絵具と砂。
作品から検索して出てきたアーティストが「高橋祐次」でした。
BIOMEに届けられた箱を開梱して、あれ?!と同時に「やられた」というのが本音でした。高橋さんというアーティストは、重機を平面図ではない形で届いたのです。
まず、今回は重機という分明の利器の細部をいかに単純化して見せているかというパート。それから、アーティストとしての、彼の得意な工夫が十分に楽しいパート。
捻り出したアイディアというより、
高橋祐次という、自己顕示をあまり感じないのに、しっかりと自分の得意を的に集めたな、というやられた感の展覧会であることを、
ぜひ皆さんにも体感していきたいのです。
絵本『ずぼっ じー』もお見逃しなく。
高橋祐次 個展
「重機」展と
『ずぼっじー』絵本原画とともに
2023年10月29日(日)まで
12:00-17:30
最終日は15:00まで