最近の気候は明らかに異常であり、朝夕の薄暗い時間帯にシーズンの空気の匂いが感じられます。枯れ草を焼く匂い、おでんのような煮物の匂い、金木犀の甘い香りが、季節の移ろいを示しています。
そんな季節の中、新天地での地鎮祭を無事に終えました。ビルの地鎮祭は初めての経験でしたが、仰々しい神事もその意義の大切さを再認識しました。構造物の安全な建設と、関わるすべての人々の幸福を願う、まだ始まりですが、皆様に感謝申しあげます。
移転の大きな目的は、自社物件を持つことであり、賃貸に伴う固定費の削減が期待できます。しかし、それ以上に重要なのは、御影でのギャラリーの在り方です。
無論、大上段には目標を掲げていたものの、コロナ禍や経済の冷え込み、異常気象といった状況により、当初の目標を見直す必要が生じてきました。常識すらも変化しました。
最近出展アーティストに関するインタビューをスタートしました。その記事を事前に公開し、作品やアーティストへの理解を深めていただくことが目的であるとともに、アーティストにも神戸で展覧会をすることに思いを寄せてもらいたいと考えています。この施策は、来場者もアーティストともに、アートを生活に取り入れることについて考える良い機会となると考えています。
そのほか、移転後のギャラリーのデザインや空間利用も重要な課題です。新しい場所では、展示スペースの構成や来場者に提供する体験を工夫する必要があります。開放感のあるレイアウトや、アートと日常を感じつつも、刺激と新しい発見につながる場所にするための仕組みづくりはビジネスモデルとしても大切な核となります。
BIOMEの取り組みが未来にどう寄与できるのか、新しい場所での挑戦は創造的な可能性を秘めています。この変化を前向きに捉え、アートを通じて未来の日本に貢献したいと考えています。季節の移り変わりと共に、BIOMEも新たな魅力を持って成長せねばと思う次第です。