"stay home"の期間に、BIOME開設に際して触れた刺激を、少しずつご紹介しようかなという組成シリーズです。(大変だなこりゃ)
小学校の渡り廊下に、押すとその地が点灯する世界地図があり、当時十分秘境だったはずのブータンもその一つでした。小学生を喜ばせるにはもってこいのネーミング「ブータン」。空港に降り立った時から標高2,500mですので頭痛持ちに過酷な始まり2014年末のこと。
さておき、ヒマラヤ山岳仏教のブータンはチベットから伝来し、宗教音楽に使われる楽器も同類のものだそうです(帰国後の熊谷誠慈京都大学准教授の話より)。チベットやブータンでの大法要のときに「ドゥン」と呼ばれる長大な金属製のホルンが、2本一対で奏でられます。このドゥンに触れることが旅の目的の一つでした。


種類により役割が違うのですが、3mにも及ぶ大きなものは貴人の歓迎や法要の始まりに吹き鳴らされます。人骨でできたものも見せてもらいました。重低音で、山の隅々に響き渡りそうな音色の層が、高山病ですっかり弱った体を麻痺させるよう。荘厳とは少し違います。ヒマラヤの水、木、土、動物全てのものを包み込んでいくよう。自らを労り、自らで救いを見出す力を引き出すよう。(動画で音をお聞かせできず無念)
音が、治癒・トランス・自助を捉えた瞬間でした。