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TINY ROUND TABLE -その場の話

  • 2月15日
  • 読了時間: 3分

5月9日(土)。自らお申し込みをされた少人数で開催されるイベントTINY ROUND TABLE。

その第三部のポートフォリオレビューについて、もう少しお話しましょう。

ポートフォリオレビューその場の話です。


ポートフォリオレビューという言葉は、便利ですが、少し誤解も生みやすい。

「見てもらえば何かが決まる」「一言で道筋が示される」そんな期待を抱かれることも少なくありません。

けれど、実際のレビューの場は、もう少し地味で、現実的です。


まず、有用性について。

ポートフォリオレビューの一番の価値は、「評価」ではありません。自分の制作物が、他者の目にどう届いているかを、その場で確かめられることにあります。

たとえば、自分では一貫しているつもりの並びが、見る側には「用途が読み取りにくい」と映ることがあります。逆に、本人は弱いと思っていた一点が、「この仕事なら、この絵が一番使いやすい」と言われることもある。

そういえば、神戸出身でBIOMEでも個展実績のあるイラストレーター合田里美が、当時、「この直前に、木内(達朗)さんのレビュー受けたんです。悩んでいて変えようと思っていた部分について、『この形は合田さんの特徴であってマイナスにはならない、このままでいいんじゃないか』って言われて、背中を押されました」と話したことがあります。


BIOMEでの合田里美個展DMより
BIOMEでの合田里美個展DMより

技術の問題というより、こんなふうに使われ方と見せ方のズレが可視化される瞬間です。一方で、注意すべき点もあります。ポートフォリオレビューは、万能ではありません。


そこで返ってくる言葉は、「その人の立場から見た意見」にすぎません。正解でも、最終判断でもない。


たとえば、ある人は「もっと個性を強めたほうがいい」と言い、別の人は「この抑制があるから成立している」と言う。こうした意見の食い違いは、珍しいことではありません。

今回のTINY ROUND TABLE 第三部では、木内達朗 に加えて、第二部に参加する 都築まゆ美奥村彰一 も、その場に居合わせます(予定)。


都築まゆ美websiteから引用
都築まゆ美websiteから引用


もし意見を求められれば、立場も制作背景も異なる視点が返ってくる可能性があります。これは特典であると同時に、注意点でもあります。

意見が複数あるということは、「どれを採用すべきか」を自分で考える必要がある、ということだからです。


ここで一つ、よくある場面をたとえてみます。

ポートフォリオレビューは、進路相談でも、健康診断でもありません。どちらかと言えば、地図を広げて、現在地を確認する作業に近い。

「この道しかない」と言われることは、まずありません。代わりに、「この道は工事中に見える」「この道は、今の装備だと遠いかもしれない」そんな指摘が並びます。

進むかどうかを決めるのは、本人です。


だからこそ、レビューの場では、・すべてを真に受けすぎない・しかし、聞き流しもしないこの距離感が大切になります。

奥村彰一websiteから引用
奥村彰一websiteから引用

BIOMEで行う今回の場は、公式な審査の場でも、講評会でもありません。

数時間だけ、同じ空間に居合わせ、ポートフォリオを机に置いて言葉を交わす時間です。

場が小さいからこそ、言葉は具体的で、即物的になります。同時に、結論は急ぎません。


ポートフォリオレビューは、何かを決めてもらう場ではなく、自分で決めるための材料を増やす場です。

その点を理解したうえで臨めば、この時間は、確実に役に立ちます。


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