BIOMEの展覧会には、ほぼ毎回足を運んでいただいている吉岡充さん。
兵庫県内の主に古き良き、あるいは消えつつある風景を、細やかで繊細、正確な筆運びで描いている画家です。
BIOMEとの出会いなどは、過去のBlogをぜひご覧になってください。
いでたちは、厚着やラフすぎず、雨風の天候に左右されないよう、荷物は大きな画板を入れた肩掛けバッグ。ご自身の展覧会DMハガキは、スケッチしているその場で声をかけてくれる神戸の住人だけではなく、言葉が辿々しい外国人の方、学校帰りの小学生たちとその場で手渡しておられるのです。
足を使って、歩いてあるいて、木陰を探し、雨を凌ぎ、来る日もくる日も丹念に描き上げて行きます。それにとどまらず、仏像を彫り、蒔絵を作りと、人生をまるで多層的なアート作品のように紡いでいる吉岡さん。その創作の幅広さと探究心は、単なる"画家"という肩書きに収まりきれません。
2025年は、1995年1月に不意に襲われた阪神淡路大震災の発生から30年が経過した年です。神戸でも様々な予定が組まれますが、吉岡さんは自身の手で描き上げてきた建物が、ガラガラと音を立てて崩れ去ったその後にも、足を止めずに描き続けてきました。兵庫の街角や田舎道で見た小屋や古い車、忘れ去られた寺社の風景。それらが、吉岡さんの視点と感性を通して、一枚一枚の絵画としてよみがえります。
震災前と震災後の作品があわせて、紹介されるとのことです。入場は無料です。ただ、いつも通り、作品の販売はないそうです。
ただ、吉岡さんはいつもニコニコと静かに在廊されます。ぜひ足をお運びください。
吉岡 充 水彩画展
ー震災30年ー
2025年1月16日(木)〜1月21日(火)
10:00-18:00(初日は正午から。最終日は17時まで)
こうべまちづくり会館地下1階ギャラリー