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Knowing More About
「Reminiscence レミニセンス」
& 南谷 富貴

2025年11月1日(土)から14日(金)まで、南谷 富貴(Fuki Nanya)氏による「Reminiscence レミニセンス」が開催されます。古材を使用した作品について、「古材には、残留思念が宿っていると思います。そこには“生”の残滓が残っています。その追想を表題としました。」と語る南谷氏。なぜ「レミニセンス」なのかなど、個展のみどころとともに聞いておりますので、ぜひおたのしみください。

 

※本ページに掲載している作品名については割愛しております。

作家として活動を始められたきっかけについて教えてください。

子供時代より、絵をかいて日常を過ごすような幼少期でした。その延長線で美術高校、美大へとすすみ現在に至っております。

現在は岐阜市を拠点に制作されているとのことですが、主な活動地域や制作環境について教えてください。今回「レミニセンス」をBIOMEで開催されることになった経緯や理由をお聞かせください。

中部地区を中心に関東でも活動してきました。

私のSNSをご覧いただき、お声をかけていただいたのがきっかけです。

「レミニセンス」で使用されている素材の木材との出会いはどのようなものであったのでしょうか?

素材として木材に出遭ったのは、大学のアトリエの隅に永年放置されていた木塊でした。キャンバスに向かっているなか、手が空いた時間にそれに着彩したことがきっかけです。平面と立体の狭間で着彩することで生まれる立体的な空間……。気がつけば立方体の木箱を作成し、規律をもって陳列したり、野外にカラフルな卒塔婆(木の墓標)を一面に立てたり、祈りの空間をインスタレーションしたのが、木を使用した空間表現としての始まりでした。

より関心が深まった背景について教えてください。

私が出会ったのが足場板でした。今ではスチール製にとって変わりましたが、家を作るために伐採された木材が足場板としての目的を果たし、更には工事現場の地面に一輪手押し車の足場として使われ、変わらず役目を果たしている。その様に美しさと愛おしさを感じ、作品に転化したいと思いました。

制作の「場所」や「時間」も、作品に影響を与えているように感じます。

​私が住んでいる地域は俗に言うニュータウンで、高度成長期に建てられた終の住処がその役目を終え、解体される現場に多く直面します。その取り壊された残骸から駆体が組み合わさる仕口(釘を使わない接合部分)や通し柱、大黒柱をお譲りいただく機会を得て、再度命を吹き込み作品を作りたいとの衝動が湧き上がりました。その木材には屋根を支え、その下で過ごされたであろう家族の時間経過やその残滓が感じられ、使命を終えてもなお呼吸をし、湿度を調整している——その古材に特別な感情を今でも感じています。

作品のフォルムがとても特徴的で、バリエーションにも広がりを感じます。
作品制作において、特に意識されていることや大切にしている点を教えてください。

木材と異素材を組み合わせることと、形については連続性を意識しています。

木の年輪は時間の経過を示す時間軸です。木肌より見てとれる時は過去であり、見ているのは今現在でもあります。経年を経た古木でも朽ちた表層を削り取ると真新しい顔を見せます。素の美しさを感じてほしいです。

作品によって異なるかと思いますが、制作にはどのくらいの時間を要するのでしょうか。

まちまちですが、一つの個展に向けては、コンセプト、新しい試みや着想のを含めて半年から1年の時間を要しております。

「レミニセンス」というタイトルにもあるように、“記憶”や“時間”が大きなテーマのように感じられます。

現在、その古材を用いて異素材と組み合わせた作品を制作しています。朽ちた古材の表面を削ると新しい木肌が現れ、まだまだ綺麗なその様に、時の経過を遡っているかのように感じます。その木の年輪を辿り着彩する作業は時間を旅しているような感覚を覚え、木自体にも時の記憶を内包していると確信しています。
対して素材としての鉄は対照的に無機質な素材ではありますが、木にはないリサイクル性を有しており、何度でも形を変え再生されます。今回の作品も、その対照的な異素材の組み合わせで制作しています。

今回の展示「レミニセンス」で、特に注目してほしいポイントや見どころを教えてください。

まるいかたちは、息を噴出したようなかたちに見えます、時としては「人型」にも見えたり、見る人の想念が投影されたりします。自由に自分を投影してもらい作品が完成します。自由な感受性で受け止めて、想起していただきたいです。

2025年も残り3か月となりました。新しい年に向けて、挑戦したいことや取り組みたいことがあれば教えてください。

新しい異素材を組み合わせた作品を日常からのきっかけから作りたいです。

「レミニセンス・イン・フラックス」では、陶・磁の作家である青木岳文さんとの二人展が予定されています。個展とはまた異なる見え方や、新たな発見もありそうです。今回の展示に向けての意気込みをお聞かせください。

たまゆらの語源である「たまとたまが触れ合うときのかすかな響き」のように、共鳴できたらと思っております。

南谷 富貴 Fuki Nanya

 

岐阜市生まれ

名古屋芸術大学美術学部絵画科卒業

名古屋芸術大学美術学部絵画科研究生修了

 

<個展>

2025年  

FUKI NANYA SOLO EXHIBITION なうふ現代(岐阜) 

2023年  

FUKI NANYA SOLO EXHIBITION アートスペース羅針盤(東京)

2022年  

FUKI NANYA SOLO EXHIBITION アートスペース羅針盤(東京) 

2021年    

FUKI NANYA SOLO EXHIBITION オー・エ・セル(岐阜)

2020年  

Factory展  鉄家具~Tetsukagu  with Art 杉山製作所(関)

2020年  

FUKI NANYA SOLO EXHIBITION 〜記憶の残滓〜  ギャラリーノイボイ(名古屋)

​他多数

<グループ展> 

2025年

企画展 時時刻刻 〜うつろいときらめき〜 KOKU現代アートギャラリー(郡上)

2025年

企画展 なうふ坂アートフェア なうふ現代(岐阜)

2024年

企画展 二人展(佐藤幸恵/南谷富貴) Gallery MARUNI AKIYA(東京)

2024年

企画展 イリュージョンとオブジェ アートスペース羅針盤(東京)

2024年

企画展 なうふ坂アートフェア なうふ現代(岐阜)

2023年

企画展 なうふ25周年記念展 なうふ現代(岐阜)

2023年

企画展 なうふ25周年記念展 なうふ現代(岐阜)

2022年

企画展 なうふ坂アートフェア なうふ現代(岐阜)

他多数

 <Public collection>

レクサス長良

小豆島現代美術館モカオリーブ

カワイ電器製作所

 

Instagram  https://www.instagram.com/fuki_806/?hl=ja

Website  http://fuki-nanya.jimdosite.com/

南谷 富貴 個展 

「レミニセンス」

2025年11月1日(土)から14日(金)まで

12:00 - 17:30(最終日のみ11:00 - 15:00)

毎水曜・木曜日は休廊

​*アーティスト在廊は1日・2日の両日を予定しています。

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