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ガラス二人展「核光 - ガラスの中心で」& 佐藤 幸恵 と 輪島 明子
*本記事は、佐藤幸恵氏と輪島明子氏からいただいた話とプロフィール、BIOMEのNews Releaseや過去のブログなどの公開資料をもとに作成・編集しています。
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佐藤幸恵氏は光と空間の透過性を追求し、静謐で詩的な世界を 生み出します。輪島明子氏は素材の重なりや表面の質感に焦点を当て、物質としてのガラスの存在感を際立たせます。
ガラス二人展「核光 - ガラスの中心で」がBIOMEにて開催されます。一見対照的な二人の作品を行き来しながら、"この作品の中心には何があるのだろう"と、一点ずつ向き合っていただきたい二人展です。

ガラス作家になったきっかけをお二人にお聞きしました。
「ガラスに興味を持ち始めたのは、高校生の時にルネ・ラリックの展覧会を見たことがきっかけです。それまでガラスについては、食器や窓など生活に関わるものとしてのイメージしか持っていなかったので、彫刻的な表現ができることに魅力を感じました。」
「塊のような形でガラスが存在できることが、自分としてはインパクトが強く、ガラスという素材で何かをしてみたいと考えるようになりました。」(佐藤幸恵)
「小さい頃の宝箱を今開けるとビー玉や水晶ばかり出てきます。高校時代、生物の資料集で見たボルボックスなどの微生物の透け感やフォルムの影響も大きいと思います。」
「大学在学中に吹きガラスに出会い、卒業後、リサイクルガラス工房に就職することに。ガラスに触れる日々の中で、一度教育機関にて学びたいという気持ちが強くなり、そんな折にデンマークのボンホルム島にある専門学校に出会いました。」
(輪島明子)
佐藤幸恵氏が主に用いるのは、型のなかでガラスを加熱し、時間をかけて成形するガラス鋳造です。ガラスだけでなく、金属、陶磁、石、化石、繊維など異なる素材も取り入れ、一つの造形へと組み立てています。透明な層の重なりを通して、光と影の関係を探る作家です。
「最近は漂流物が気になっています。今年の春、銚子の方へ漂流物を探しにいってきました。まだ作品に取り入れている物は少ないですが、時間と海によって風化した物体はとても魅力的で、そこに自分がどう関われるか楽しみです。」
「今回の制作では砂や砂利などの素材を試した作品があります。特にガラスとは少し似たところのある砂利を、ガラスに焼き付けたり、ガラスと一緒に溶かしてみたりと、試行錯誤中です。」
「鏡や銅板、和紙などを使用していた時期があったのですが、最近はほとんど使っていません。鏡や銅板は存在感の強さゆえに段々使わなくなってしまったのかなと思います。和紙は作品としての強度の問題もあり、少しワンパターン過ぎるかなと感じてしまい、徐々に使わなくなりました。ですが和紙であればまた工夫次第で作品に新たな形で活かせるかな、とも考えています。」
(佐藤幸恵)
輪島明子氏は、熱して柔らか くなったガラスをその場で成形するホットワークを中心に制作しています。さらに、キルンキャスティングであらかじめ制作したパーツを組み合わせるなど、複数の工程を経て作品をつくります。キルンキャスティングとはガラス鋳造技法の一つで、耐火性の型にガラスを入れ、電気炉(キルン)で加熱して型に沿って成形するものです。
「表現したい作品が私の手の中で生まれ、形になったものを人々に提供することが出来る。それが工芸の面白いところだと思います。ガラスは透明と不透明、柔らかさと硬さという不可逆性を持つ魅力的な素材です。仕事をする上で私はいつもこの魅力をどのように生かすかに取り組んできました。」
「いろいろな技法がある中でも私はホットワーク(吹きガラスのように溶けたガラスから成形する技法)をメインにしております。習い始めた頃はさっぱり思うように作ることが出来ず、もっと上手になりたいと取り組んでいるうちにそれがもっとも身近な表現方法になったわけです。」
「<核光>というテーマをくださったのは良いタイミングでした。今、小さいピースをつなげる表現を試しているので、これをもう一歩極めたいと思いながら、“核”という切り口で今までの作品を見返しているところです。」
(輪島明子)
型と焼成を介して形をつくる佐藤氏 と、熱したガラスに直接働きかけながら形をつくる輪島氏。同じガラスを扱いながら、作品が形になるまでの時間、制作するときのガラスとの距離などが異なります。
「自分は作品の完成形を決めずに制作することが多いのですが、その作品ひとつひとつに在るべき形があると思っていて、要素を引いたり足したりしながら最終的に在るべき場所を探るように制作しています。最初のアイデアをそのまま完成に持っていくのでは無く、制作の途中で発生した偶然や失敗も取り入れて最終的な形を決めていきます。このやり方は昔も今も変わらず大切にしています。」
(佐藤幸恵)
「常に作り続けること(特にアートピース)は大切にしています。考えがまとまらないときはプロダクションでよいから手を動かすように。」
「私の作品を覗き込む人々が、ガラスに閉じ込められた光を感じることによって自身の希望に触れてほしい、そして私自身が自分そのものに近づいてゆける仕事をしてゆきたいです。」
(輪島明子)
佐藤氏に、制作の中で「思っていたものとは違ったけれど、こちらの方が面白かった」という出来事についてお伺いしました。
