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木戸優紀子⑥ という人

記念すべき北陸新幹線の金沢、敦賀間が開通した当日、その人はまた神戸にやってきてくれました。「また」というのは、この個展のちょうど1年前に、展示する場所をぜひみておきたいとわざわざ立ち寄るためでした。

そんなプロセスを経て、今回もあらかじめ、

「在廊する時は、実演をしてもいいですか」「七尾の和ろうそくを灯してもいいですか」と打診をいただき、

今回のテーマと新作をもって初日からやってきてくださったのでした。


実演道具が届き準備中の木戸さん。


根っから、天邪鬼で負けず嫌いと自ら言います。


九谷の絵付である古典的な青絵などの染付とは別に、色絵は木戸さんの挑戦や想いがふんだんに汲まれたものがあるように感じます。

お客様の中には、「木戸さんの作品は確かに九谷だけど、九谷とはなんだか違うんだよね、いい意味で」とおっしゃる方がいるほど。

例えば黄色。九谷は芥子色のような色めですが、木戸さんはレモンイエローが、効き色となり、若々しさやポップさを感じさせます。個展ですからのびのびとやってくださっているのが心地よい。



頑なに貫き通す部分は技術をより深くし、柔軟で朗らか奔放な部分は革新性へとつながっているのが木戸さんです。


無謀とも思えること、人からどう思われても、自分に確信がもてるまで試作を重ね、失敗から学びその過程をもって、「負けず嫌い」と表現しているのだろうと思います。

努めた人のみが使える言葉ではないでしょうか。

こんなアーティストの姿勢には、ギャラリーにも安心感だけではなく、信頼とより一緒にがんばっていきたいと思わせる魅力があるのです。


それが木戸優紀子、という人なのです。

さて、いよいよ終盤となる3月30日(土)と31日(日)も在廊を予定してくれています。

最終日まで、引き続きご注目ください。



木戸優紀子 Yukiko Kido    


金沢生まれ


2001 創作家 能川富美子氏に師事 主にデッサンを学ぶ

2005 「妙泉陶房」山本長左氏(宮内庁御用達作家)に師事 主に染付を学ぶ

2008 独立 自宅にて制作に励む

2011 創造展「染付柘榴十八角陶筥」スポンサー賞 以後、連続受賞・入選

2018 石川の伝統工芸展 入選

2019 伝統工芸士(加飾部門) 認定、北陸創造展 北國新聞社長賞、石川の伝統工芸展 入選、日本伝統工芸展 入選


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