
Knowing More About
二人展 「Reminiscence in Flux」
& 青木 岳文
2025年11月15日(土)から30日(日)まで、南谷 富貴(Fuki Nanya)氏と青木 岳文(Takefumi Aoki)氏による二人展「Reminiscence in Flux レミニセンス・イン・フラックス」が開催されます。
南谷 富貴(Fuki Nanya)氏は、「Reminiscence レミニセンス」から引き続いての出展となります。南谷氏のインタビューは、Knowing More About「Reminiscence レミニセンス」& 南谷 富貴(ページへ移動)をご覧ください。
こちらでは、青木氏の作品紹介とショートインタビューなどを、二人展とあわせてお楽しみください。
※本ページに掲載している作品名については割愛しております。
「Reminiscence in Flux レミニセンス・イン・フラックス」について
本展は、南谷氏と青木氏、二人の作品が未来へ向けて変容していくことを意図した企画です。
今感じていることは、やがて記憶となり、いま手にしているものも、いつかは消えてしまうかもしれません。
回想と創造が交わり、過去が未来へと流れつづける――その流動的な時間の中に、二人の作品が響き合います。
記憶を呼び起こす行為そのものが、新たなものを生み出すプロセスとなり、すべての瞬間が変容の契機となります。
青木 岳文氏の作品について
白磁の泥漿を素材に、鋳込みやイッチン(スポイト状の道具)といった技法を組み合わせながら制作を行っている青木 岳文氏。工程自体は一般的なやきものと大きく変わりませんが、技法や素材の現象を自らの感覚で捉え直し、やきものの新たな可能性を探っておられます。
青木氏の作品は、鋳込み成形した白磁の器をいったん切り分け、その継ぎ目に同じ泥漿を粒状に施して再び接合するという、独自のプロセスで形づくられています。イッチン(スリップウェア)によって絞り出された粒は、装飾でありながら同時に成形の役割も果たしており、この技法の融合が作品の大きな特徴となっています。
同じ白磁でも、鋳込みとイッチンによってまったく異なる表情を見せます。それらが重なり合うことで生まれる構造や、面と粒の対比、そして約1230度の焼成を経て漂う白磁特有の緊張感に、青木氏は魅力を感じながら制作を続けておられます。
青木岳文氏へのショートインタビュー
「Takaramono for Okurimono 2024」以来のBIOMEでの展示となります。前回は1アーティスト1作品という条件のグループ展でしたが、今回は二人展ということで、より多くの作品を通じて青木さんの世界を堪能できる場になるかと思います。
南谷氏との二人展「Reminiscence in Flux」に向けてのお気持ちをお聞かせください。
(青木氏)
南谷さんには個展後すぐの二人展で無理をかけるかたちになってしまいましたが、快く引き受けてくださりありがたい気持ちです。
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これまでの展示や個展などでもプロフィールの紹介を拝見しましたが、改めて、アーティストを志されたきっかけや、これまでの経歴について差し支えない範囲で教えてください。
(青木氏)
特別なきっかけがあったわけではありません。大学では陶磁器デザインを学び、そこから徐々に今のような制作へとつながってきたように思います。
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青木さんの作品には、一度見たら記憶に残る印象的なものが多く、空間の中で光や距離とともに変化するような、インスタレーション的な印象も受けました。また、磁という素材の限界に挑むような、物理的な緊張感も感じます。なぜあのようなかたちや構成に至ったのか、とても興味があります。
(青木氏)
フィリップ・スタルクや小松誠のような遊び心のあるものを作りたいと思ったのが始まりです。そこから素材や技法の面白さや美しさを、自分を通して可視化できるような制作を続けています。
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制作において、青木さんが大切にしていることや、心がけていらっしゃることがあれば教えてください。
(青木氏)
平穏を保つために、なるべくSNSなどを避けています。静かな環境の中で、自分のペースを大切にしながら制作しています。
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今回の二人展「Reminiscence in Flux」では、磁と木という異なる素材の競演が見どころのひとつになるかと思います。同じ岐阜県ご出身の南谷氏のことは以前からご存じでしたでしょうか? また、南谷氏の作品についてどのような印象をお持ちですか?
(青木氏)
これまで存じ上げませんでした。まだ写真でしか拝見していないため多くは語れませんが、いずれきちんと拝見したいと思っています。
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「Reminiscence in Flux」で展示される青木さんの作品について、みどころや注目してほしい点を教えてください。
(青木氏)
使うのはなかなか難しいかもしれませんが、遊び心のある作品として楽しんでいただければ嬉しいです。
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過去の展示紹介文のなかで、「やきものの可能性」という言葉が印象的でした。今、または今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。
(青木氏)
やきものはどっしりとした重さのあるイメージがありますが、私はそこに“浮遊しているような空気感”を感じさせる作品をつくっていきたいと思っています。
青木 岳文 Takefumi Aoki
1991年 岐阜県生まれ
2015年 愛知県立芸術大学卒業
Instagram: aokitakefumi
Website: aoki-takefumi.jimdofree.com


南谷 富貴と青木 岳文の二人展
「Reminiscence in Flux
レミニセンス・イン・フラックス」
2025年11月15日(土)から
11月30日(日)まで
12:00 - 17:30
(最終日は11:00 - 15:00)
水曜・木曜日は休廊
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