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②むらいゆうこ テンペラってなんですか

初日から大変な賑わいだった「三日月通信」むらいゆうこ個展。今日も神戸はすばらしいお天気です。むらいさんの作品をご覧になる前に、ちょっとレクチャーを。


今回、和紙に描いた日本画、絹本着彩、テンペラの3種類があります。ところでテンペラってなに?なんとなくわかるんだけれど。そこで、むらいさんに直接うかがってみました。


©️むらいゆうこ「おばあさまの宝箱 金の鍵」羊皮紙・テンペラ

ーーーテンペラってなんですか。どんなふうに活用していますか。


イタリアの古典技法です。顔料を卵の黄身と混ぜて使います。油絵が登場する前の時代の描き方です。テンペラは描く手順が決まっています。計画的に描くということが、私にはとても難しいことでした。

実はこれまで、頭を使わず、思いつけば心のおもむくままに日本画を描いてきました。

下描きすらしません。体当たりで描いていっても、頑丈な和紙は受け止めてくれたのです。

ところが、数年前に始めた絹本では、それが全く通用しませんでした。薄く繊細な絹はやり直しができません。完璧な下絵を用意しないと描き出せません。次第に、窮屈に感じるようになってきました。


けれども、やめるには惜しい。絵具の発色は絹の方が格段に美しいのです。和紙にはできない表現を描きたいと思いました。

そこで活きたのがテンペラの描法でした。背景から少しずつ積み上げるように描いていく手順や、肌の塗り方を流用してみました。重ねる絵具は厳選し、少しずつ塗り重ねてこそ透明感が保てます。最小の手数で最大の効果を狙っていく描法です。テンペラと絹本には、親和性がありました。遊び気分で習っていたテンペラが、描く手順を覚える訓練に変わりました。テンペラを学ぶモチベーションが上がりました。 (むらいゆうこ)