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6月の人 中島梨絵

中島梨絵さんには、東京でお時間をいただき、直接お会いすることができました。

イラストレーションに携わる方は首都圏にお住まいの方も多く、恐縮ながら、これまでも実際に足を運んでいただき、お目にかかる機会を大切にしてきました。

ただ、初対面の際には、その方が主にクライアントワークを中心に活動されているのか、それとも展覧会などで自身の創作を発表されているのか、すぐには分かりづらいこともあります。BIOMEでは、工芸・イラスト・絵画を問わず、創作活動をされている方を「アーティスト」と総称しています。


中島さんについては、「100冊以上の書籍装画を手がけ、小説家からのご指名も多い人気イラストレーター」という事前情報がありました。ビジネス的な視点からもご自身の創作を的確に分析できる方だろうと想像し、お会いしました。

書籍の装画は、既存作品を作家や出版社が選ぶ場合もあれば、小説家のために描き下ろす場合もあります。特に描き下ろしの場合、アーティストが本文の意図を完全にコントロールできるわけではなく、小説家や出版社の要望に応じて修正や変更を重ねることが多いと伺いました。


最近ではコンプライアンスの観点から、表現や言葉遣いに対する第三者からの指摘も増えており、当初の想定とは異なる苦労や工夫が求められているそうです。

お話を伺う中で、中島さんが滋賀県ご出身であることを知り、同じ近畿地方という共通点から、緊張がほぐれたのを感じました。地元の話題で盛り上がることもでき、光と影や人物をテーマにした繊細な作風についても直接お話しすることができました。誠実で柔軟な対応力、そして表現を広げ続ける探究心が印象的な、まさにプロフェッショナルな方です。


今回の展覧会は、前期と後期に分けて開催します。前期では旧作や書籍装画作品、後期では新作もご覧いただけます。

中島さんも在廊予定ですので、作品の比較やご本人との交流にご期待ください。


よりアーティストに近づくためのインタビュー、Knowing More About でもご紹介していますので、ぜひご参考ください。





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