「旅する版画ー神戸にて」神戸にて
- NORI Kuriyama
- 9月14日
- 読了時間: 2分
展覧会の初めの三日間は、山下かず子さんのナビゲーションで幕を開けました。
山下さんはとても人懐っこい方で、すぐに周りの心をつかんでしまいます。魅力的に話されるだけでなく、ゲストの方々の声にもたっぷり耳を傾け、ひとつひとつを大切にされるのです。会場には自然と和やかな空気が生まれていました。
その人好きなご性格は、会場の外でも同じです。
展覧会の合間には、近くのBIOMEなじみのカフェに立ち寄って、ご夫婦と1時間ほどおしゃべり。まるで旧知の友人のように笑い合いながら、気づけばさまざまな情報をキャッチして帰ってこられるのです。BIOMEの外までも人の輪が広がっていくのは、山下さんの明るさと人懐っこさあってこそだと感じます。
けれども、そんな山下さんにもひとつ気がかりなことがありました。BIOMEとしては展覧会当初からその変化に気づいていたので、思い切って伺ってみたところ、ご本人にとっては大きな悩みだったのです。事情や利便を整理して、「気持ちよく制作できることが一番大事ですよね」とお伝えすると、山下さんはぱっと顔を輝かせて「うん、決めた!」と即座に対策を選び取りました。その潔い判断力もまた、山下さんらしい魅力のひとつです。

今回で三度目となるBIOMEでの展示作品も、変わらずたくさんの好評をいただいています。以前から「ポストカードが欲しい」という声を多くいただいていましたが、今回、10種類のカードをご用意くださいました。
山下さんの作品そのもののような分身が、多くの方々のもとへ届き、日常の中でふとその明るさや温もりを思い起こすきっかけとなればうれしく思います。