堂前守人 2026① 彼のいう時間
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更新日:20 分前
堂前守人さんとおめにかかれました。
今回も車で函館から神戸へお越しになりました。山陰を走り、米子を経て神戸へ入られたそうです。設営日に到着されたとき、髪を長くし、後ろで束ねておられ、以前にも増してアーティスト然とした姿に見えました。語調は、いつもと変わりません。穏やかで、ゆっくり。
作品たちは先に到着していました。
堂前さん独特の梱包をほどきながら、「ひさしぶりですね」と心の中で唱え、一つひとつ顔をのぞかせる器たちに、安堵に近いものを感じました。
BIOMEでの個展から、3年の時間が流れていました。

2024年1月1日夕方、能登地方で発生した令和6年能登半島地震。5か月後の2024年6月3日早朝6時31分頃には、石川県輪島市と珠洲市で最大震度5強を観測する地震がありました。さらに2024年11月26日夜22時47分頃には、石川県西方沖を震源とする地震が発生しました。
大きな天災は、抗うことのできない自然の脅威であるとわかっていても、失った人や物、記憶に向き合う時間を人に迫ります。
堂前さんが育った七尾の家は、令和6年能登半島地震によって半壊し、結果的には取り壊さざるを得ない状況になったとうかがいました。
お母様は、2024年1月の地震後に函館へ移られました。現在は、はこだて工芸舎で看板娘のような存在となり、地元の方やお客様とも楽しく過ごされているそうです。
BIOMEでは前回の個展が2023年6月でしたから、姿を見るのは3年ぶりでした。作品を手に取りながら、堂前さんがよく話される、時間のことを考えます。
「いつまでに何ができるか」。
メールでやりとりをするたび、お会いするたびに言葉の中には、そんな問いがあったと思います。それは年齢の話でもあり、制作の話でもあり、ご自身が函館で主宰するはこだて工芸舎のこれからの話でもあります。
どこまで行けるか。どこまで作れるか。誰に何を手渡せるか。
これまでもお話ししてきた通り、移動は愛車を駆って、高速道路を使わず、早朝から夕方まで、下道を選びながら進まれます。ある時は作家との打ち合わせへ、ある時は歴史的な建物や土地の風景へ。旅の疲れは各地の温泉で癒す。できることなら、テントを張ることができればなおいい、とも話されます。
時代に置いていかれないように、はこだて工芸舎の運営にもさまざまな企てや試みを重ねておられます。一方で、自分たちのやり方には不要なこと、ほかに優先すべきことがある場合には、はっきりと見送る。その判断もされているとうかがいました。
堂前さんは、今、日本の国土で行けるところへ行く。描けるときに描く。作れるときに作る。そのように動いている人です。
器の裏に年号や月を記すことも、その感覚と離れていません。
表には花が描かれ、線が走り、色が置かれる。けれど裏を返すと、そこにはその器が作られた年や月があります。近年は、年月だけでなく、その時に目に入っていた花や風景も描かれるようになりました。
その小さな記載は、その時期をどのように通過したかを示す印のようです。
「その時そのときを描く」。
今回の展覧会タイトルは、制作のあり方そのものでもあります。

堂前守人 陶展
「その時そのときを描く」
2026年6月6日(土)〜6月28日(日)
12:00−18:00
最終日:12:00ー15:00
休廊日:水曜・木曜日
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