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⑧春のしろ 白をとりあげたのは

2020年の今頃。オープンして間もなかったにも関わらずコロナウィルス拡散予防対策として、3月初旬に休廊を決めました。予想はできませんでしたが、容易におさまるとも全く思っていませんでした。


果たして、今をもっても収束も終息も見えない状況。

何が機能して、何が機能しなくなったのかを考えなければなりません。

それから、人やものはどう変わっていくのだろうとも考えました。

疲れ果てて自らを奮い立たせることができない人もいれば、あと一つの岩をよじ登ろうとしている人、信じる道をとにかく走り切る体力がある人。

形あるもの、いつかは壊れ、欠け、汚れ、変化し、朽ち果てる。


2021年の春は、白をとりあげよう。願わくば儚くかよわそうで、繊細と言われるものにしよう。でもオチはこうです。

小林千恵作 「ギザギザボウル」

物質としての強度を備え、不躾な人を寄せ付けず、くもりなき白さに畏れ慄く、それは白磁器が適しているのではないかと。高飛車な気持ちで設定したのではありません。


白磁器は、自分の手元におき、多種多様な素材と組み合わせて、良かったりだめだったり、欠けヒビをいれ、残念で困り、金継ぎや貫入で気休めし、一粒で何度でも美味しい、うってつけの作品なんだよう..と。


森岡希世子作 「リキュール杯」三種

孤独や単独でしんどいときや困った時は、他人に委ねたり力になってもらったりすればいい。価値判断がわからなければ、まずは適当なものを手にし、基準値にすればいい。

そうやって、足るを知る者は富み、強めて行なう者は志有りなんだよう....と。


畑絢子作 「うたかたⅢ」

扱いづらいと思われがちなものにぶつかっていただくチャンスになるかな、と。

そんな「春のしろ」3人磁器展は、4月4日(日)16時まで。


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