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木下めいこ② 会うべくして会った日本画

ご存知の方も多いBIOMEの南側の植栽。正午過ぎ辺りまでは高いところからの日差しがギャラリーの中まで少しのび、木陰が美しく揺れる様が心地よく、夕暮れになると軽やかな闇の帷が下りてきます。


木下さんは、BIOMEを構成するさまざまなものに興味をお持ちのようで、その中に植栽の種類なども含まれていました。

ギャラリーをこの場に移して1年以上経ちましたので、覚えた植物の名前をお伝えすると、早速調べ始めて「わぁ、この色は初めてだ」「これは描いてみたいな」と少女のように生き生きと目を輝かせるのです。

花鳥風月と季節を取り上げることが多い日本画に取り組む彼女の

その興味の目線や探究心は、宝とも言えます。


在廊時のお客様との一場面

それから、画材についても。

木下さんの作品リストには「貝紫」の記載があります。「貝で染める紫」のこと。天然染料として、草木などの植物染料以外に動物染料や鉱物染料もあり、貝紫は動物染料の一種です。高貴な色として珍重され、「帝王紫」とも呼ばれた富と権力を象徴する色でもあるのだそうです。今回、その貝紫をふんだんに用いた作品があります。


鮮やかで堅牢性に富むこの紫色は、1つの貝から採れる染料がごくわずかであるという点からも希少価値が高く、貝紫を用いた美しい藤に胸奪われるのも当然かもしれません。




個展としての、木下めいこ「楚なり半透明な」展覧会は、あっという間に本日12月19日(月)17:30までとなりました。


20日(火)、21日(水)の休廊を挟み、いよいよ今年最後の展覧会、大変ゴージャスな日本画3人のリレー展覧会「楚なり半透明な」牧野環・むらいゆうこ・木下めいこの合同展へと進んでまいります。


木下めいこさんの全作品をご覧いただけるのは本日のみとなりました。絵具や額縁もお楽しみいただきたいと思います。


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