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漆四人作品展① しおり 栞 枝折

「たわめる草木のしおりに」の漆作品展、気持ち良いお天気に恵まれた13日からスタートをいたしました。初日は、漆に関わるかたもたくさんお越しくださることになり、こちらがもっともっと勉強しなくては、と気を引き締めた次第です。


さて、初回はやはりこのアイテムからご紹介しなくてはなりません。

展覧会のタイトルには、「しおり」の文字。「枝折る」は、山道などを歩くとき、道しるべとなるよう木の枝を折ったことを表しています。また「栞」は、同じ高さのものがそろっていることを意味する「千」と「木」が結びついたもので、こちらも同じ大きさや高さに木を削ることによって、道しるべとしたことを表しているようです。


さあ、それぞれの作家が展開したしおりをご紹介いたします。


浅野絵莉の場合  「枝折 line」φ1.3×21㎝ ¥14,300円(税込)

道端で出会う小さな花のために、とされた花入がしおりなのです。長細い筒の側面と底面の2箇所に磁石が仕込まれています。ですから備付の丸い鋼板に自立したり、壁にそっと付したり。とても斬新。太い枝物や、茎がしっかりしたものでは成り立ちません。ささやかで、通りすがったものをさりげなく!




黒木紗世の場合 「栞-季の花」約3×11㎝ ¥13,200(税込)

黒木さんの特徴である、錫粉にひっかき絵を繊細に施されたもの。中には切り抜きが施してあるものもあり、並べて飾ると壁掛けにもなりそうな美しさ。架空の直物という彼女の絵は、未来へとするすると伸びゆく生命力を彷彿させてくれます。




田中若葉の場合 「ことの葉(しおり)」  約3×10.5㎝ ¥14,300円(税込)

端正な顔立ちの栞。そして田中さんの若葉色。和紙肌仕上げされた小皺が深みの色と、なんとも言えない手触りを生み出しています。形によっては、髪にさしたくなるような愛らしさと裏表の成熟感が楽しい栞です。厚みも安心感をもたらす要素でもありますよ。




八代淳子の場合「一閑張錫彩栞」 約6×22㎝  ¥8800(税込)

一閑張とありますが、栗の薄い素材を用いられているようです。また、八代さんの漆作品がこの価格で手に入るというのも驚きな作品でもあります。錫彩とダークブラウンの漆のツートンがモダン。エキゾチックな花模様は絶対的な魅力ではあるのですが、このダークブラウンのところの生地の質感が気持ちいい。森を歩いていてふっと樹の皮を拾う感覚なのです。

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