top of page
日常での気づき、イベントやアーティストについて触れた日々のメモです。
検索


木下めいこ① ひまわりのような人といっても
「わあ、話に聞いていたより、広くて素敵」 設営のためにBIOMEへやってきた木下めいこさんは、入ってすぐ、思わず声をあげました。 その反応が、すでに木下さんらしいものでした。 壁の位置や作品数を確認する前に、まず場所全体を見る。 今回の展示で大きな課題となっていたのは、屏風をどこに、どのように立てるかということでした。 その最初の一声には、すでに展示の始まりが含まれていたように思います。 BIOME中山手での三人展では、木下さんの大作を十分にご覧いただける展示環境をつくることが難しい部分もありました。 日本画には、屏風、襖、杉戸絵のように、建築とともに見られてきた大きな画面があります。紙や絹に描かれた一点の絵でありながら、見る人の前に広がり、歩く距離や立つ位置まで変えてしまう。木下さんの大作にも、その感覚があります。 今回、BIOMEでの個展では、ひまわりの作品をキービジュアルにしました。 会場でご覧いただくと、まず、その黄色が目に入ると思います。そう見えるように、展示も組み立てています。 ひまわりは、太陽を追う花として知られています。...
7月6日読了時間: 4分


堂前守人 2026② てのひらの陶
陶作品は、写真でもずいぶんと伝わるようになりました。 色、かたち、模様、サイズ。オンラインでも、おおよその情報は見られます。 手に取ってから急に情報が増えてくるのが、堂前作品。 写真に写るのは、その一部です。 文章で懸命に語ることさえ、いまは少しおこがましく思います。 触って使ってみた人にだけわかる部分があるのです。 過去の展覧会で、「てのひら」という言葉を使ったことがあります。それから、陶をいつも傍に置き、てのひらで転がしたり、なでたりすることで心が落ち着く。ある作家のお客様からも、そうしたお話を耳にしたことがあります。 ガラスでも布でもなく、陶であること。 硬く、冷たく、重みがある。けれど手の中に入ると、その人の体温を少しずつ帯びていく。そこに、陶ならではの親密さがあります。 ご自身の器について、かつて「安心して使えて、明るい器が作りたい」と話しています。 とても平易な言葉です。 この「安心して使える」という言葉には、丈夫さや扱いやすさだけでなく、使う人の手に過度な緊張を与えないことも含まれているのだと思います。 だからこそ、このてのひらを通
6月13日読了時間: 2分


Art Basel Hong Kong Report③
速度と重なり ・香港で残ったこと Report①で記載した通り、初日2日間はプレビュー入場であっても、観覧者の層は限定されません。購買を目的とする者、観光的に訪れる者、関係者。それぞれが同じ空間にいます。それもかなりの数です。その結果として生まれる状態。 会話、移動、撮影。同時に進む流れ。視線は一点に留まりにくい。 Art Baselでは、作品ごとに一定の時間を確保できていた印象があります。一方、香港では移動の速度が優先される。視線は流れやすく、疲労も早く感じられます。 壁紙も凝っていた インスタレーションも同様でした。立ち止まって関わるというより、通路の中で目に入る。写真を撮る、少し見る、そのまま次へ進む。そうした見られ方が多かったように思います。 作品の中に入り込むというより、動線の中で処理されていく。結果として、滞在時間は短くなります。会場全体を見ても、同じような振る舞いが繰り返されています。立ち止まることよりも、移動しながら見ることが前提になっているように見えます。 これは優劣ではありません。作品を見る場であると同時に、購入の場でもあり、
3月28日読了時間: 4分


Art Basel Hong Kong Report②
視線が止まるとき 作品単位での検証 Egon Schieleのデッサンでは、周囲の観客と同様に足が止まります。 フェアの中でありながら、美術館に近い緊張。空間が締まる状態。デッサンを実見するのは初めてだったこともあり、高揚感が先行したことも否定できません。隣に並ぶMarc Chagallの作品とあわせ、強い印象。強い引力。 Jordi Alcaraz 同じ場を振り返ると、Jordi Alcaraz。Mayoral Galleryのブースです。 平面と立体の境界が揺らぐ作品。彫刻、ドローイング、絵画を横断する作家。どこか古典的な印象を持ちながら、素材そのものへの関心が前面に出ています。 フレームの中に収まりながら、奥に空間があるというより、素材の歪みや押し出しによって像が成立しているように見えます。絵を見るというより、物の状態を見る感覚。 すぐには理解できない。見ているうちに構造が見えてくる。 その遅れ、視線が留まる理由のひとつです。 Jonny Niesche「Chemical Love」 続いて、Jonny Niesche。「Chemical.
3月28日読了時間: 2分
bottom of page
