top of page
日常での気づき、イベントやアーティストについて触れた日々のメモです。
検索


キュレーションって、なに? 第3回 BIOMEのキュレート
では、BIOMEの場合はどうでしょうか。 学芸員資格を持つ人材が必要かと聞かれれば、必ずしもそうではありません。これは専門知識が不要という意味ではなく、ギャラリーの実務が少し違う場所に重心を持っているからです。 BIOMEで日常的に扱っているのは、作品そのものだけではありません。作家が、そのときどの段階にいるのか。過去の展示でどのような反応があったのか。どの作品に誰が興味を持ったのか。価格の履歴や、展示の流れや癖。 こうした情報が、少しずつ積み重なった上で、今展示するギャラリーでの新しい捉え方を、お互いの情報交換により、その時点の企てを観ていただくことになるのです。 BIOMEでは、アーティストに「今一番興味のあること、やりたいことを選択してほしい」と伝えています。私たちは、アーティストの意思を元にその地点を見極めなければなりません。今を生きる、未来を生きる人たちですから、流れを止めてはいけない。 ただし大事にしているのは、「誰が決めたか」よりも、「なぜその判断になったのか」が後からたどれる状態にしておくことです。アーティストの希望であったとして
10 時間前読了時間: 2分


キュレーションってなに。 第2回 ギャラリーという自由
BIOMEは、美術館ではなくギャラリーです。この場合はどうでしょうか。 民間ギャラリーには、基本的に収蔵義務がありません。 展示は期間限定で、構成の変更も比較的自由にできます。昨日まで壁に掛かっていた作品が、翌日には別の場所に移動していることもあります。 制度による拘束はかなり少ない。この自由さが、ギャラリーという場所の特徴でもあります。 同時に、展示の方向性は制度ではなく、個人の判断に強く依存します。オーナーやディレクター、あるいは場の中心にいる人物の考え方が、そのまま空間の性質として表れることが多いのもギャラリーの特徴ではないでしょうか。 多くのギャラリーに「カラー」があるのは、そのためです。誰が決めているのかが、そのまま展示に出てくる。 もちろん、だからといってギャラリーが好き勝手に動いているというわけでもありません。 作家との関係、来場者の反応、作品の流通、さまざまな現実の条件が常に関わっています。 ただ、美術館のような制度的な合意の上で展示が決まるわけではない、という点は大きな違いです。 ギャラリーにおけるキュレーションとは、資格や制度
10 時間前読了時間: 1分


キュレーションって、なに 第1回 制度としてのキュレーション
「キュレーション」という言葉、よく聞くようになりました。 展覧会を組むこと。作品を選ぶこと。あるいは情報をまとめること。便利な言葉なので、いろいろな場面で使われています。 ただ、この言葉の出発点は、もう少し制度的なところにあります。 日本では「学芸員」という資格があり、博物館法に基づいて、資料の収集、保管、調査研究、展示、教育普及などを担う専門職として定められています。 つまり本来のキュレーションは。 作品を「選ぶ仕事」というより、文化資料を長く管理し続ける責任を伴う仕事でした。 何を展示するかだけではなく、どう保存し、どう研究し、どう社会へ公開していくか。時間軸の長い仕事だと思うのです。 ところが現在では、展覧会の構成や、何かを選び取って紹介する行為を広く「キュレーション」と呼ぶことが増えました。 その結果、制度の中での専門職としての意味と、実務的な編集行為としての意味が、同じ言葉の中で並んでいる状態になっています。 悪いことではないと思います。 ただ、「キュレーション」という言葉を聞いたとき、人によって思い浮かべている仕事の中身が、少しずつ違
10 時間前読了時間: 1分
bottom of page
