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10月の人 遠藤 萌

遠藤さんは、遠藤萌(Megumi Endo)。木版画を愛する作家のお一人。特に自然を題材にした作品が多く、もちろんかつてはご自身も登山を楽しまれていたようです。

2024年後半のBIOMEは、版画作品を多く取り扱います。

版画作品の良さを知るには、自分自身の版画愛もさることながら、作家がどんな思いやどんな目標を持っているのかを知るのも、面白い視点かと思います。


BIOMEの起点は「オリジナル」「原画」を取り扱いということ。それは一体何かと定義することは自由であるし、悪いことではないでしょう。しかし、時に、その定義がぶれていたとか、判っていなかったということもお伝えしなければならないでしょう。


この度、数名の版画家とコミュニケーションする中で、「版画は複写をすることを目的に開発されてきた技術」であり、「複写する技術についてもこだわりたい」と言われたことが印象的でした。版画は、分業制を敷いているアーティストもいれば、自分自身で最初から最後まで仕上げる人もいます。

版画を摺るといえば、1枚目が一番良さそうという人もいれば、余白に記載している数字が制作日だと思っていたという方もいます。作家自身の意識の変化がある人もいいます。本質的には複写の技術ではあるものの、一点ものの価値を上げていこうと思う、というアーティストも増えています。


さて、皆さんはいかがですか。

遠藤さんの版画を目の前に、そんなことも考えながら版画作品をお楽しみください。空気までもがおさまってゆくような、時間がゆっくりと流れてゆくような、色の重なりを楽しんでいただけることでしょう。


版画作品は、アーティスト(ほとんど)が決めた枚数を摺ることができます。万一、売約済みとなった作品がありましても、手にいれることができるのです。

どうぞぜひお立ち寄りいただき、学びになればと思います。





遠藤 萌 Megumi Endo


【経歴】

1988年 千葉県出身

2016年 武蔵野美術大学油絵学科版画専攻卒業








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