DMはがきのこと
- 5 日前
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展覧会の開催が決まると、ギャラリーは早い段階から、アーティストに作品画像の準備を依頼します。
DMを制作するのか、アーティストとギャラリーのどちらが担当するのかを相談し、展覧会を代表する画像を選びます。そこからデザイン、印刷、ウェブサイトへの掲載、ゲストや報道機関への案内へと進みます。
一枚のはがきが届くまでには、アーティストとギャラリーの双方に、相応の準備があります。
BIOMEでは、比較的早い時期に、展覧会ごとの紙のDMをやめました。印刷したものが余り、住所不明で返送されてきたはがきを、最後には破棄しなければならない。そのことが、どうにも忍びなかったからです。
展覧会の案内は、DMの形式を維持して、ウェブサイト、メールマガジン、SNSにて利活用しました。ただ、5月に御影へ移転した今年は、新しい場所のお知らせも兼ねて、紙のDMを一時的に復活させています。
久しぶりに制作してみると、紙には紙の存在感があることも、あらためて感じます。日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2024」では、本人宛てDMの74.3%が開封または閲読され、20.8%が検索や問い合わせなどの行動につながったとされています。ただし、これは一般的な商用DMの調査です。展覧会のDMが、来場や作品購入にどの程度つながったのかを示す資料ではありません。
海外の調査でも、郵送物は家庭内に数日置かれ、ウェブサイトを訪れるきっかけになっていることが報告されています。紙を単独の案内として使うのではなく、その先にあるデジタル情報への入口として扱う例も増えています。
2026年のBIOMEからのDMハガキ
また、展覧会のDMは、単なる広告とも言い切れません。作家名、作品画像、会期、会場が印刷された一枚は、展覧会が終わったあと、その展示が存在したことを伝える資料にもなります。実際に、美術館や大学のアーカイブには、過去の展覧会案内や招待状が保存されています。
読まれる可能性があり、展覧会の記録にもなる。
その一方で、余ったものや届かなかったものは処分されます。制作にも発送にも費用がかかり、通常はがきの郵便料金は現在、一通85円です。BIOMEとしては、これまでの「展覧会ごとの紙のDMはつくらない」という考え方を、今後も基本としたいと思っています。
ただ、今回あらためて調べてみると、紙のDMを続けるか、やめるかだけでは、この一枚の役割を十分に捉えられないようにも思えてきました。
紙であることが大切なのか。
届いたあと、ウェブサイトを見てもらうことが大切なのか。
展覧会の記録として残ることに意味があるのか。
あるいは、DMをつくるかどうかは、それほど重要な判断なのか。
判断を慣例に戻してしまう前に、展覧会のDMとは何だったのかを考える時間は、まだ少し猶予があります。












