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ひとりごと 感謝欲について

「感謝欲」。

この言葉について、過去にも触れたことがあるかもしれません。日々の人間関係や仕事の中で、「ありがとう」という言葉や感謝の行動に、私たちは無意識に反応しています。この反応の傾向を「感謝欲」と呼ぶのだと学びました。

感謝欲の高い人は、言葉や承認に敏感で、ちょっとした感謝の一言でも心が動きます。一方で、感謝欲の低い人は、言葉よりも自分の価値観や判断に基づいて行動することが多いと。


ここで注意したいのは、感謝欲という評価軸を一面的に捉え、単純に「高い方が良い」「低い方が悪い」と判断することの危険性です。

感謝欲が高い人は、承認やフィードバックによってモチベーションが上がりやすい反面、言葉に依存しすぎると自分の判断が曖昧になってしまうこともあります。逆に感謝欲が低い人は、言葉での承認にはあまり左右されませんが、行動や成果で示す感謝が深く届く場合もあり、チームや取引先との関係において大きな価値を発揮することがあります。

この裏表の原理を理解することは、人とのコミュニケーションでとても大切だと、実感する出来事がいくつかありました。

イラストレーター袴田章子さんが描いてくれたBIOMEオーナー
イラストレーター袴田章子さんが描いてくれたBIOMEオーナー

自分自身の感謝の受け取り方や示し方を振り返るだけでなく、他者に対して今までどのように関わってきたかを省みることも重要です。感謝欲の一面だけを取り上げて「親切ではない」「信頼できない」と決めつけてしまうと、見落とす価値や関係があることに気づかないままになってしまいます。


たとえばアートの世界でも、人それぞれではないでしょうか。

アーティストの展覧会に足繁く通うことで感謝や信頼を示す人もいれば、支援や婉曲的な行動など、違う形で表すギャラリーもいまです。

アーティスト側は、「展覧会に見に来てほしい」と認証欲求や感謝欲を強く意識する人もいれば、あまり意識しない人もいます。感謝欲に通ずる改善行動は、表層的なことでないことはお分かりですよね。


今回は「感謝欲」という切り口で考えてみましたが、経験や時間の中で、人を理解する力はもっと幅広く、深いものがあることを学ぶべきだなと感じたこの頃です。

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