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木下めいこ③  ひかりのとき

  • 7月12日
  • 読了時間: 2分

中央塔が最終高に達したことで、今年あらためて話題となっているサグラダ・ファミリアでは、入場する時間帯を選ぶ楽しみがあります。

朝は東側の生誕のファサード側から青・緑系の光が入り、午後から夕方には西側の受難のファサード側から赤・オレンジ系の光が入ることでも知られています。

一方、一般的なギャラリーで、どの時間帯に見るかまで考えて来られる方は、あまり多くないかもしれません。

夕暮れのひまわり
夕暮れのひまわり

ところで、設営のとき、木下さんは会場を見ながら、窓まわりについても気にされていました。可動壁で窓をすべて覆うのではなく、窓が見える部分を残してほしい、と言われました。外とのつながりが残るようにしたい。その判断が、いかにも木下さんらしいと思うのです。「GARDEN」という個展タイトルが、花のためだけにあるのではないことも、そこに表れています。


これまで大きくご紹介していない作品の中に、孔雀の作品があります。

これが、実に華やかです。孔雀や人喰鳥という題材そのものに装飾性があります。羽の色、金泥や銀泥の光、画面の密度をあげます。近づくと細部が目に入り、少し離れると画面全体がの華やかさが一気に見えてきます。

他方で、空を描いた作品もあります。こちらは、少し抽象画の趣もあります。何が描かれているかをすぐに説明するよりも、色の層や、画具のたまりを、ゆっくり呼吸するようにご覧いただきたい一角となります。


日々お客様とお話ししていると、まず、作品そのものの迫力や、筆の大きな動きに目を奪われることが多いと思います。木下さんによると「、ひまわりの絵などは、細かく下絵を作ったり、あらかじめ構成を決め込んだりしたわけではなく、描いては全体を写真に撮り、バランスを見てまた描く」、ダイナミックなプロセスのようです。作品の迫力が、制作プロセスにも反映される良い例です。


皆様がお帰りになり、

ギャラリーの照明を落とした後、会場をぐるりとまわると、

やはり黄色のひまわりに灯りのようなものが残る時間が、とても美しい。

「garden」の語源には、外界と区切られた場所、囲われた場所という意味があるとされます。日本語の「庭」も、古くは神事や作業のための開かれた場所を指していたといわれます。どちらも、花を植えるためだけの言葉ではなく、ある場所をどう使い、そこで何を行うかに関わる言葉です。


そう考えると、木下さんの「GARDEN」は、やはり花や鳥や空を並べたものではなく、光の入り方、作品がここにあるプロセス、見る時間帯、そして会場に立つ人の視線まで含めて、ひとつの庭として、企画してくれているのです。

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